入院7日後 手術から3日後
夜中に導尿管(という名称なのかどうかは不明ですが)の流れがたびたび止まることがありました。尿が出ていない感があって不快です。看護師さんによると、導尿管の下がった所に溜まっているため、持ち上げる必要があると教えてもらいました。自分でもやってみたところ、導尿管の流れが改善しました。
朝に採血があり、1度目は失敗して激痛。我慢していたら「すみません、細い血管みたいで…」こういう時は無理せずに痛みを訴えた方がいいようです。2回目は成功しました。
午前中に1Fのレントゲン室に。造影剤を飲んでレントゲンを撮り、胃から腸までの流れを確認しました。リアルタイムで体の中の動きを確認できるものなんですね。胃の半分が250mlの造影剤で満たされていました。腸にまで流れるのにちょっと時間がかかっていました。急いで食べるとマズい、というのはこういうことかと実感。その後の回診では、レントゲンも血液検査も回復を示している、順調とのことでした。
自分でベッドを降りて、リハビリも兼ねて9Fのコンビニで麦茶を購入しました。ベッドを降りる時は、電動ベッドで上半身を限界まで立てます。これで手術後のある腹筋を使わずに済むようにします。
午前と午後に痰を出しやすくする、という吸入をしました。でも、痰が絡んだりしたことってないんですよね。
今日から、食事前に胃腸の働きを良くする薬を飲むように指示されました。薬の名前は「モサプリドクエン酸」で、吐き気や食欲不振、胸やけなどに用いられ、胃腸の運動を活発にし、食べ物を胃から腸へ送り出すのを助け、症状を改善するために広く使われています。
便通。お腹はゴロゴロと音がするものの、力を入れると傷口が痛むため、自然に出そうになるのを待つ必要がありそうです。便秘気味になるのがつらい。
本日はシーツの交換日。
看護師によると、明日の回診時には導尿管や背中の麻酔が外れるそうです。麻酔が外れると痛みが少し増すかもしれません。が、なんか違和感があって嫌だった麻酔のチューブが外れる方がうれしいです。
入院6日目 手術から2日後
何かするたびにお腹の傷が痛い、という話を看護師にすると、
「筋肉まで切ると痛いんですよねー」
と。
点滴の針の交換を行いました。針を刺す場所を左手から右手に交換。また、午前と午後に痰がでやすいようにする吸入を受けました。また、午前と午後にリハビリに取り組みました。今回は自販機のあるロビーまで歩いて、いろはすを買うというミッションを達成。その後、自主的にリハビリをしましたが、3〜4分歩くだけで疲れが出てきます。病棟を何周もしたせいかもしれません。久しぶりに歯磨きをすることができたことに回復を実感し、少しほっとしました。
しかし、リハビリをしすぎたのか、脇腹が痛い典型的な筋肉痛を感じるようになりました。手術の穴が関係している可能性もあります。その他、なぜか背中にも疼痛が。ちょっと眠りにくい状態になりました。体力がないと寝ることも大変なのだということを、身をもって実感しました。
午後から手術直後の2人部屋から、手術前と同じ4人部屋に戻されました。入院時とは違う部屋です。
今回の入院で、老人が入院すると寝たきりになる、ということを身をもって体験しました。
入院5日目 手術日翌日
清拭作業をしてもらいました。お風呂に入れないので、体を拭いてくれるといったサービスです。
1030と1430にリハビリがありました。病棟を1周してきました。普通に歩けました。が、ちょっと歩くだけで傷口は痛みます。臍のあたりの縦に長い傷です。腹腔鏡手術の鉗子やカメラなどを入れた穴はまったくもって痛くないです。特に起き上がる時がキツいです。どうしてもお腹に力がはいってしまいますから。ただ、後日、お腹に負担をかけない起き方がわかりました。電動ベッドなので、上半身をできるだけ起こしておくのです。腹筋を使う必要なし。もうちょっと早くわかっていれば…
あと、1周しただけでかなり疲れました。体力が減っています。ずっと寝ているせいでしょう。夕方頃、自主的に1-2周してきました。
入院4日目 手術日当日
飲み物は0600で終了。トイレには何回も行きました。
0830から準備開始。鼻から胃にチューブを入れました。鼻の粘膜の部分を通す時に「うっ」となりましたが、それを過ぎればまあまあ。常に喉に違和感がありますが、耐えられないほどではありません。とはいえ、これは人によりけり。隣のベッドの人が別な日に手術で、同じように鼻にチューブを入れたのですが、どうしても耐えられないとのこと。手術直前に入れることに変更していました。
0930より手術室へ。手術室に行く途中で、右手に2つバンドを装着。バンドには「胃幽門側部分切除」などと書いていあります。間違い防止のためでしょう。行く先々で名前と「どのような手術を受けるのですか?」と確認されます。全摘されたら困るので、「部分切除」を強調しておきます。
手術室のある3Fエレベーター前で妻と面会。手術中に何かあった場合の判断のため、常に連絡の取れるところにいるそうです。主として病院内のドトール。予定は6時間なので、終了は1530。結構長いです。
自分で手術台に上がるのですが、台がスポンジになっていました。もっと固いものを想像していました。ここで服を手術用のものに着替え。
背中に麻酔のチューブを入れるための局所麻酔注射をしました。ちょっと痛い。チューブも違和感があったが、耐えられない程ではないです。どれも説明を受けた時に想像してた痛みはありません。昔の歯医者を想像して行ったら、今の歯医者の治療は全くもって痛くないのと同じでしょうか。やはり現代医学は進歩しているんだなー、と感心。酸素マスクを当てられて、予告された通りに気を失いました。実は全身麻酔が効きにくくて、意識が残っていたらどうしようとか恐れていたのが無駄でした。
1330という、予定よりかなり早いペースで終わりました。幽門側を切って、腸につなげるという、一番簡単な術式で終わったそうです。手術が終わった後に妻から聞きました。が、ここらのことは、今は全く覚えていません。
はっきり意識が残っているのは、病室に運ばれたあとのことです。今までいた病室とは違い、2人部屋になっています。私が入った時には、私しかいませんでした。ベッドも、荷物の入ったロッカーも、そのまま運ばれてきました。
腹腔鏡手術では、腹部に5-6箇所くらい穴をあけます。鉗子やカメラを入れた穴は全く痛くないです。痛いのは臍部に3-4cmくらい縦に切ったところです。筋肉も含めて内蔵まで切っています。ここから切除した組織を取り出すためです。ここが痛い。とはいえ、麻酔は効いているので、動かすと痛い。麻酔が弱くなると疼痛レベルになる、という感じでしょうか。痛みについては、看護師に依頼すれば痛み止めを点滴で投与してくれます。我慢することなく、要望していいそうです。私はいざという時に効きにくくなったら困るかも、と思って、ちょっと我慢していました。その必要はなかった、ということです。ちなみに、後でやってきた手術後の患者さんは、通常の痛み止めがダメで、最終的に医療用麻薬を投与。劇的に効いていました。どうしても痛くてダメ、という人はそういう手段もある、ということで。
思ったよりもダメージが少ないので、早速ロッカーからスマホを出して、Netflixのスプリガンを観ていました。複雑な話を見る気にはなれなかったので。すると、看護師さんから「もうスマホに触れるんですね。体位も動かせるんですね」と言われました。床ずれを防ぐために、
- 保湿クリームを床ずれしやすい箇所に塗る
- 看護師が体位を定期的に変える
という処置が予定されていたのですが、私については必要なし、ということになったようです。ちなみにiPhone14 Pro maxは重い…iPhoneを支えきれるクリップスタンドがあるとかなり楽だなー、と思いました。
夕方、担当医が説明にきました。術式は一番簡単な、胃の幽門側を半分切って腸に接続するというもの。胆嚢の切除を含めた、胃を1/3にする術式はとられなかった、などなど。ちなみに担当医からも「もう動けるんですねー」と言われました。
さて、術後は体に管やケーブルが繋がれまくっていました。以下のような6-7本はあったと思います。
- パルスオキシメーターや心電図など
異常があるとカラータイマーのような音が出る
- ドレーン
腹腔内の異常をいち早く発見、手術後の汚染物質を腹腔外に排出 - 鼻から胃までのサンプチューブやじ類
縫合不全が発生するのを防止するための減圧用チューブ
- 導尿管
尿が勝手に体外に排出されてタンクに溜まるという、ある意味便利なもの
- 背中の硬膜外麻酔のチューブ
- 点滴
入院3日目 手術日前日準備
朝に採血と検尿。尿カップをトイレに置いて、呼び出しボタンを押す…呼び出し音が鳴るが、なかなか来ていただけない…ちょっと、焦りました。
入院する前は朝にジョギング10kmくらい走っていました。が、さすがに入院中は無理です。運動として階段昇降を行いました。病院の1Fから9Fまで5往復くらいする、というものです。あとはスクワット100回くらい。active5を使った筋トレなど。
- スクワットカウンター
https://apps.apple.com/jp/app/id1365383745
- active5
そうそう。ちょい困ったのが病院の病衣の前後。タグもないので、どちらが前かわかりません。こういう時、パンツの前後は股下のバッテンを持って引っ張ると判別できるそうです。
お昼ごはんを食べて、それからは飲み物オンリー。
1400からシャワー。1500から点滴。点滴の内容ですが、2種類で
- ビーフリード輸液
栄養補給のための点滴薬。口から食事が十分に摂取できず血液中のたんぱく濃度が低い、または栄養状態が軽度に低下している方や、手術前後の方に使用されます。 - ソルデム3A輸液
経口摂取不能又は不十分な場合の水分・電解質の補給・維持。
これで飲み食いしなくても最低限、生きていける分だけの水分と栄養が供給されるわけですね。ちなみに私、点滴は初めての経験だったのですが、しばらくすると痛みもなく慣れてしまいました。点滴スタンドは移動自由で、スマホのストラップや手拭いをかけて、歯磨きなどに行ってました。でも、トイレは邪魔でしたね…
入院2日目 手術について説明
今日は1030から担当医から手術の説明があります。妻が同席することになりました。土曜日なので、妻は救急外来の入り口から入ります。説明の行われるフロアのエレベーター前で待ち合わせ…しかし、担当医が来ない…我々とは別の外来の患者の説明に時間がかかっているようです。
病状は胃がんステージI。幽門側、つまり出口側の胃の1/2以上を切ることになる。再建方法として、2種類考えられる。
胃の1/2を切除して噴門側の残胃と十二指腸または小腸をつなぎ合わせる(ビルロートI法というらしい)。胆嚢は残る。比較的単純なので、手術時間は短い。
どうしても幽門側と腸がつながらなかった場合。胃の2/3を切除して噴門側の残胃と小腸(空腸:くうちょう)をつなぎ合わせる(ルーワイ法)。胆石になった場合、内視鏡などで対応できないため、胆嚢は切除。小腸をつなぎ合わせる必要があるので、手術時間は長い。
もちろん、私としては時間も短いし、残りの胃も多い前者を希望したいのですが、それは実際にやってみないとわからない、ということで。あとは、手術同意書、輸血同意書などにサインしました。そこで、妻とはお別れ。次は翌々日の月曜日の手術当日です。ちなみに予定されている手術時間は5時間+麻酔1時間で、計6時間だそうです。
1800から市内で花火大会がありました。窓からギリギリ見えました。
入院2日目 手術について説明
今日は1030から担当医から手術の説明があります。妻が同席することになりました。土曜日なので、妻は救急外来の入り口から入ります。説明の行われるフロアのエレベーター前で待ち合わせ…しかし、担当医が来ない…我々とは別の外来の患者の説明に時間がかかっているようです。
病状は胃がんステージI。幽門側、つまり出口側の胃の1/2以上を切ることになる。再建方法として、2種類考えられる。
胃の1/2を切除して噴門側の残胃と十二指腸または小腸をつなぎ合わせる(ビルロートI法というらしい)。胆嚢は残る。比較的単純なので、手術時間は短い。
どうしても幽門側と腸がつながらなかった場合。胃の2/3を切除して噴門側の残胃と小腸(空腸:くうちょう)をつなぎ合わせる(ルーワイ法)。胆石になった場合、内視鏡などで対応できないため、胆嚢は切除。小腸をつなぎ合わせる必要があるので、時間は長い。
もちろん、私としては時間も短いし、残りの胃も多い前者を希望したいのですが、それは実際にやってみないとわからない、ということで。あとは、手術同意書、輸血同意書などにサインしました。そこで、妻とはお別れ。次は翌々日の月曜日の手術当日です。
1800から市内で花火大会がありました。窓からギリギリ見えました。